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「ピッキング」「カム送り」「サムターン回し」といった「空き巣狙いの犯罪手口」を指す用語が、昨今、テレビや新聞などに頻繁に登場し、もはや一般化してしまった感があります。
これら手口が一般に知られることとなり対抗策が進む中でも、空き巣狙いなどの侵入窃盗の発生件数が大幅に減少することはなく、むしろ、いまなお増加傾向にあります。これは、対策が進むのと同様に新しい手口が次々と現れたり、日本人の防犯意識の低さにつけこんだ、外国人窃盗団による組織的犯行が増えているためと考えられています。
鍵を変えたから大丈夫。そう思ってはいませんか?
犯罪の手口が急速に巧妙化している現代社会において、防犯対策に終わりはありません。そういう時代だからこそ、「安全」は入居者にとって大きな付加価値となりえるのです。
今回の特集では、マンションの空き巣狙いに関する現在の状況や傾向を紹介するとともに、最新の手口やその対策に関する情報源もご紹介していきます。
一日800件・30秒ごとに一件、日本のどこかで空き巣狙いが発生
日本で起こっている犯罪で最も多いのが「侵入盗」、いわゆる「空き巣狙い」や「事務所荒らし」です。日本全国で毎日約800件、つまり30秒に一件、侵入盗の犯行が行われていることになります。
「水と安全はただ」といわれていたのも今は昔となり、旧来からのセキュリティ管理に対する人々の意識の低さと、経済の低迷による人心の変化によって、現在の日本の「侵入盗」の発生件数は世界的にも非常に多く、他の犯罪と比べて検挙率も低いものになっています。また、犯行に外国人(主に不法入国した中国人)が関わっていることが多く、日本は泥棒天国になってしまったといっても過言ではないでしょう。
| 侵入盗(住宅対象)の 認知・検挙件数、検挙率 |
||
|---|---|---|
| 認知件数 | 検挙件数 | 検挙率 |
| 189,336 | 51,897 | 27.4% |
| (平成14年1月~12月) | ||
| 侵入盗(住宅対象)の 認知・検挙件数の推移 |
|---|
|
| 単位:万件(平成10年~平成14年) |
侵入されたこと自体に気付かないケースなど、刑事事件(認知件数)となっていないものも含めると、実際に起こっている犯行件数は恐ろしい数になるでしょう。
しかし、セキュリティシステムの強化がなされていれば、犯行を防げたと推測されるケースは、半数以上を占めるというデータも出ています。
侵入盗犯の多くは、数人のグループで行動しています。
見張り役が近隣住民が近くにいないかを確認しながら、鍵あけ役が様々な手口で侵入経路を確保し、窃盗役が室内を物色、と役割を分担して、犯行に及びます。
一見サラリーマン風に見えるその風貌は、隣近所の付き合いが少ない都市部の集合住宅では、不審者かどうかの判別がつきにくく、侵入盗が横行する原因となっています。
見知らぬ土地での犯行でも、逃走経路が短くて済むために犯人が安心感を持てる、駅近くのマンションや、玄関が建物内部にあって人目につきにくいマンション、また、通りに面しているマンションでも、地上からは死角になる高層部を狙って犯行に及ぶようです。 不審者が最も恐れるのは「人目につくこと」です。エントランス部分や駐車場に人を感知して点灯するセンサーライトを設置するなど、不審者が人目につきやすい状況を作り出すことが大事です。
侵入する方法はいくらでもある、と犯人はいう
ピッキングとは、細い針金のような特殊な工具で錠シリンダー部分を解錠する手口です。この手口で狙われてるのは、ディスクシリンダー錠と呼ばれる鍵で、日本全国で7000万個出回っている、最もポピュラーな鍵です。
訓練された窃盗団は、この種類の鍵を数秒から数十秒でこじ開けてしまいます。
この手口に使われるピッキングツールと呼ばれる特殊な工具は、恐ろしいことに通信販売や店頭で堂々と販売されていたこともありました。現在は、平成15年 6月に施行された「特殊解錠用具所持禁止法」によって、こうした工具を正当な理由なく販売や所持していた場合、罰せられることになりましたが、通信販売で既に低価格で大量に売られていたため、ほとんど一般化しています。
マンション被害の50%は、このピッキングによるものといわれています。
サムターン回しとは、ドアの内側にあるサムターン(鍵を使わずに施解錠するためのつまみ)を、ドア錠周辺に空けた穴から差し入れた針金や特殊な工具で操作し、解錠する手口です。ピッキング対策が進んできたころに確認された手口です。
ドリルで穴を空ける以外にも、
扉の近くにある窓ガラスを壊す/扉の側面または上面の隙間/扉にある郵便受けを壊す/ドアスコープやドアノブを取り外す
といった方法で、針金や工具などを挿し入れて解錠する手口もあります。
カム送り(バイパス解錠)とは、ドアから突き出した台形のシリンダーカバーを引っ張ると、根元の部分でドアとの間に隙間が空いてしまう錠に対して、その隙間から針金や特殊工具を差し込んで、「ケース」と呼ばれる扉内部に埋め込まれている箱形の装置の内部にある「カム」と呼ばれる部品を操作して解錠する手口です。
鍵穴部分を操作して解錠するピッキングとは異なり、カム送りは鍵穴に工具を突っ込まないため、侵入されたことに気付かない恐れがあるといわれています。
カム送り解錠が可能な錠は、大手メーカー4社の計15種類です。各メーカーとも、すでに該当商品の販売を中止していますが、このタイプの錠は、これまでに合計約900万個が販売されています。
カム送り解錠される可能性のある錠前の見分け方(水戸ロックセンター)
焼き破りとは、窓の錠の周囲のガラスを強力ライターやバーナーなどで焼いて割れやすくなったところを割ったり、加熱後に水を吹きかけてヒビを入れて割るなどして窓ガラスを破り鍵を開けて、開いた窓から侵入する手口です。
ガラスは火に弱く、この場合、破壊時の音もほとんどしないため、気付かれにくいのです。
ピッキングやサムターン回しと比べても、高度な技術がいらない、ライターは持っていても怪しまれないなどの理由から、首都圏を中心に各地に広まっているようです。
ドアの隙間にバールなどを差し込み、ドアの錠を破壊する手口。
「侵入に時間がかかる」と思わせることが重要
警察が侵入窃盗犯にとったアンケートによると、「侵入に5分以上かかるようなら諦める」という回答が半数以上を占めていたそうです。
空き巣狙い対策では、「侵入に時間がかかるように対策を施す」ことが重要になるわけです。
一つのドアに二つ以上の錠がついていることで、「二つ解錠しなければ入れない」=「時間がかかる」と思わせることができます。犯人の立場で考えると、わざわざ入りにくいドアを狙うより、他に入りやすいドアを探した方がよいと思うはずです。
ドアとドア枠の隙間からかんぬきが見えていると、施錠されているか、いないかが一目でわかり、こじ開けの対象になりやすくなります。
ガードプレートをつけることで、かんぬき部分を保護し、こじ開けから守ることができます。
全国防犯協会連合会が認定した、耐ピッキング性能の高いCP-C認定錠に交換しましょう。シリンダー部分だけの交換であれば、タイプによっては1万円ほどで取り替えが可能です。
サムターンに外部から直接接触できないようにする、サムターンカバーを取り付けましょう。サムターンカバーの価格は比較的安価で、簡単に取り付けることができます。他にも、指以外で回転させることが困難な材質・形状でできたサムターンの部品や、サムターン部分を覆って、さらにこれを外部から施錠するロックカバーなども販売されています。
カム送り解錠の工具が「ケース」の中に入り込めないように、「ケース」の穴の空いている部分に、金属部品でフタをします。
ガラス内面に防犯フィルムを貼付けると、ガラスの破壊に要する時間が長くなり、破壊のためにより強い力を必要とするために騒音が大きくなり、ガラス破りによる侵入が難しくなります。併せて、サッシ部分に補助錠(例=右写真)を取り付けることで、侵入防止にさらに効果的です。
ドアスコープが簡単に取り外すことができる場合は、簡単に取り外しができないものに交換しましょう。
窓の面格子などを壁に留めているビスが外部に露出している場合、ネジ山はドライバーで回せないようにつぶしておきましょう。
侵入された場合に備えて、簡易取り付けができるセンサーアラームなどを取り付けを検討しましょう。
どれだけの対策を講じても、防犯に万全はありません。いつも最新の防犯情報をチェックしておくことが肝要です。
「何もそこまで…」と思っているようでは、泥棒の思うツボであることをお忘れなく。
セキュリティ・防犯対策に関するご相談・ご要望は、こちらで承ります
東商ハウス株式会社 ホームサービス事業部 リフォーム部
電話: 06-6862-0377(代)
参考リンク:総合防犯Web / 美和ロックホームページ
錠が壊れていて、錠のない状態と同じように錠本来の用をなさなければ、当然家主の修繕義務の範囲内となります。しかし、たとえ「ピッキングに弱い錠」であったとしても、錠は壊れていなく正常に機能しているのであれば、一般的に家主が修繕義務の範囲外として考えられるため、家主が費用を負担してピッキングに強い錠に交換しなければならない、という義務はありません。
従って、ピッキングなどによる侵入被害が発生しても、入居者が「家主の責任を追及」することはムリでしょう。しかし、ピッキングに強い錠に入居者負担で交換した場合、入居者退居時にその錠に残存価値があれば、その分の費用を「有益費」として入居者に支払わなければなりません。
法606条では「賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要なる修繕をなす義務を負う」と規定されていますが、これは任意規定であるため、当事者でこれと異なる合意がなされていれば有効となっていました。だから、賃貸借契約書に特約として、「入居後の代償修繕は賃借人が行う」などの条項を設けて、修繕を賃借人に行わせてきた賃貸人も大勢いました。
しかし、平成13年4月に消費者契約法が施行され、その第10条において「民法、商法、その他の法律に公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」と規定されています。
従って、全ての修繕義務を賃借人に負わせることは、この規定に違反するおそれがあるのです。今後は、賃借人に全ての責任を負わせる条項にするのではなく、事案によって補修費用を按分するなどの工夫をする必要があるといえるでしょう。
「法的な義務」という点で、「今のままでも大丈夫じゃないか」と思われる方も、「不動産賃貸業はサービス業である」という入居者側の一般的認識の前では、入居者からは「法的義務」以上のサービスの提供が望まれることは明白です。
昨今の犯罪実態や、ネットワーク上での他人同士のつながりや個人情報の流通が日常化している現在、「悪意を持った他人からの侵害」に対する自衛意識も高まりつつあり、「安全とプライバシーの確保」に対する投資は、今後益々価値を増して行くことでしょう。
安全がただで手に入る時代は、終わったのですから。